南極に建設されたニュートリノ観測装置IceCube。2017年9月22日にIceCubeで観測された事象(IceCube 共同実験提供)氷の中をニュートリノが通り抜けると、たまにわずかに光が出るんだってニュートリノチェレンコフ光7高エネルギーニュートリノをとらえる 千葉大学は、南極の氷を用いて宇宙から飛来する高エネルギーニュートリノを捉える IceCube(アイスキューブ)プロジェクトに参画しています。ニュートリノは他の物質とほとんど相互作用しないため、宇宙空間を直進します。これを観測することにより、高エネルギー粒子(宇宙線)の放射天体を明らかにできると期待されています。 IceCubeは、1立方キロメートルの氷の中に数珠つなぎに埋め込まれた5000個以上の検出器(光電子増倍管)を用いて、ニュートリノが氷と相互作用して発する青い光(チェレンコフ光)を捉えます。検出器が捉えた光子の個数や到達時間のデータを解析することで、到来方向やエネルギーを決定することができます。 千葉大学IceCubeチームは2012年に1PeV(PeVはエネルギーの単位で10の15乗電子ボルト)以上のエネルギーを持つ宇宙ニュートリノを捉えることに世界で初めて成功しました。下図に宇宙ニュートリノの観測例を示します。光を捉えた検出器に色をつけています。
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